意匠とデザイン– tag –

建物は人が作るが、今度は建物が人を作る。建物は拡声器のように空間を支配し、人の五感に影響するものだ。人も国も自らが作った建物の中で育まれていく。建築を学ぶことは個と公の関わりを考察することでもあるというコラム。

優れたアイデアの対極にあるのは「くだらない考え」ではなく「何もしないこと」。すなわち『無』です。何事も心に持っているだけでは始まらないの喩え。 人は「やろう」と心に決めた事だけを、確実に成していく。

【コラム】創意と知的財産について
【小説の抜粋】意匠の盗用と示談の強要
【リファレンスCAD】コンピューター支援設計について
主人公が建設会社に呼び出され示談を強要される場面を描いています。

指導者を失い、政治も混沌とする中、ヴァルターは自身の海洋都市『リング』のアイデアの是非を問う為、アンビルトアーキテクトの先鋭を訪れ、肝心なのはデザインに現れる心のフレームワークだと助言を受ける。

富裕層向けの海洋都市の建設を急ぐメイヤーと密かに面談したリズは、公共性を無視し、己の野望を遂げようとする心根に違和感を覚える。庶民の福祉は後回しかと問い質すリズに、メイヤーは「百の理想を説いて聞かせるより、小切手一枚切った方が早いと嘲笑う。

ペネロペ湾に巨大な円環の海洋都市『パラディオン』が建設されれば、悪しき慣習と構造が持ちこまれ、同じ資本と権力が跋扈する。未来の硬直化を懸念するアルは、ヴァルターの描く『リング』こそアステリアに豊かさをもたらすと確信し、娘のリズに胸の内を明かす。

アンビルト・アーキテクトの先鋭でもあるジュン・オキタ。奇妙な形をした建築物のCGに首をかしげるヴァルターに、オキタは「デザインとは精神の表れ」と、建設不可能なデザインにも理念はあることを示唆する。

【建築コラム】 デザインとは何か 【小説の抜粋】 どこに作り手の心があるかはデザインを見れば分かる