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創作における『悪』とは大人の事情

創作における『悪』とは大人の事情

ウルトラマン VS ゼットン怪獣のように、問答無用の勧善懲悪は、子供には面白いが、大人にはまったく面白くない。

なぜなら、「大人には、大人の事情がある」ことを、普通の大人なら誰もが知っているからだ。

帳簿一つとっても、くそ真面目に申告していたら、こっちが損するだけ、というのは、ままある。

だから、子供が購入した絵本の領収書も、店の経費で落とすという裏技が存在したりする。

なんでも経費。

なんでも領収書。

建前上、ダメとされることも、「まあ、これぐらいならイイじゃないか。誰に迷惑かけるわけじゃなし」「1000円、2000円の小細工ぐらい、大目に見ろよ。世の中、10億だの100億だの、ちょろまかしてる巨悪が他にもいるでしょ。追徴課税するなら、そっちを締め上げろよ」みたいなところが『大人の事情』。

世の中、白黒だけでは回らないことを、大人なら誰もが知っている。

だから創作における『悪』も、ゼットン怪獣みたいに、情け容赦ないワルモノより、「なんか分かる」「私も同じことをやっちゃうかも」という側面を持たせると、人物が引き立つ。黒いものを黒と断罪するのではなく、なぜ黒くなったのか、黒にも言い分はないのか、そのあたりを丁寧に書くのが深掘りのポイントかと。

優良な裁判ドラマは、悪役の論理が非常に長けていて、途中で必ず主人公が不利になるものだ。

観る側も悪役の言い分に引き込まれ、「こんな理屈を持ち出されたら、頷かざるを得ない」という気持ちになるからだ。

そして、このままでは主人公が負けるかもしれないという危機感を持つ。

これがドラマ性。

三面、四面、組み合わせて、悪の側から見た『大人の事情』を描くと、物語が引き立つ。

闇の奥の大人の事情に光を照らし、「こっちの考えの方が正しいのかもしれない」と観る側を混乱させるほどの説得力をもたせること。

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この記事を書いた人

家・文芸愛好家。80年代サブカルチャーの大ファン。科学番組の全盛期に子供時代を過ごした影響でSFを書いています。モットーは『Newtonから月刊ムー』まで。かつて宇宙を夢見た少女は深海に魅せられて海洋科学の転向しました。今でもハヤブサより、しんかい派です。

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