海洋SF小説 MORGENROOD 《曙光》 は、1995年、「海底鉱物資源」と「海洋都市(清水建設のマリネーション構想」に着想を得て、資料収集を始め、2017年9月にKindleストアよりリリースしました。

小説のジャンルは『海洋SF』ですが、人間ドラマに重点を置いた文芸作品です。

読者の意表をつくようなドンデン返しや謎時の要素はありませんが、現存する海洋科学や建築・土木の基礎知識を取り入れ、リアルに仕上げた本格SFです。

この作品は、日本の深海研究の第一人者である、堀田宏先生に献呈しています。

Overview

ストーリー

海のレアメタルと世界を変えるリング

西暦末期、無人探査機『パイシーズ』が、みなみのうお座星域より一つの鉱石を持ち帰る。そこに含まれる稀少金属『ニムロディウム』によって、宇宙開発技術は劇的に向上するが、世界最大のニムロデ鉱山がファルコン・マイニング社の手に落ちたことから、恐怖と寡占による一党支配が始まる。

マイニング社の横暴に風穴を開け、幾多の鉱業問題を解決する為に、特殊鋼メーカーの雄、アル・マクダエルは前人未踏の海底鉱物資源の採掘に挑むが、採鉱システムの完成を前に、チームリーダーの失踪という憂き目に遭う。

急遽、代役を捜し求めるが、紹介されたのは半年前に解雇された潜水艇のパイロット、ヴァルター・フォーゲルだった。半信半疑で身上調査していたところ、パスワードでロックされた『リング』の鳥瞰図を覗き見てしまう。それは大海原に直径15キロメートルの二重ダムを築き、内部の海水をドライアップして、海底面に都市空間を創出するというアイデアだった。

これこそ惑星表面積の97パーセントを海洋で占められた惑星《アステリア》の未来を変えると確信したアルは、早速、ヴァルターに面会し、アステリアに連れ出すことに成功するが、アルの愛娘、リズが彼に一目惚れしたことから、アル自身の運命のシナリオも微妙に狂い始める。

果たして、海底鉱物資源の採掘はファルコン・グループの一党支配に風穴を開け、アステリアの未来を変えるのか。
二人の恋と『リング』の行方は――。

STORY

無料で読む

本作の一部を無料で公開しています。
プレーンなデザインで、テキストも読みやすい。
第一章 400
第一章 運命と意思
カリスマ経営者と潜水艇パイロットの出会い。
第二章 採鉱プラットフォーム
第二章 採鉱プラットフォーム
揚鉱管を繋ぐ。未来を創る。
第三章 海洋情報ネットワーク
第三章 海洋情報ネットワーク
One Ocean, One Heart. Now and Forever.
第四章 深海調査
こんな海の底にも生きる命がある
第五章 指輪
このリングで運命の海と結ばれる。
第六章 断崖
世界の果て。何度でも立ち上がる。
Refer

リファレンス

本作に登場する技術や見どころを画像と動画で解説。
当サイトのトップページ。
読み放題

Kindle版

Kindle Unlimitedで公開中

Kindle Unlimitedで読む

Kindleストアで上下巻を公開中。書籍を購入された方には読みやすいPDF版を無償で差し上げています。
Kindle Unlimitedの詳細はこちらです。

book cover
PDF

無料サンプル

上下巻の冒頭を閲覧しています

Character

キャラクター

本作の主要人物です
ヴァルター・フォーゲル

本作の主人公。ネーデルラントの干拓地に生まれ育ち、土木技師の父親と、エクス=アン=プロヴァンスに続く高貴な血筋の母親をもつ。
四カ国語の複雑な言語環境に育ち、難読症やコミュニケーション障害を呈したことから、子供ながらに将来に絶望し、希死念慮に憑かれるようになる。
13歳の時、大洪水で父親と生家を亡くし、顔が歪むほどの心的外傷に陥るが、潜水艇のパイロットを志し、故郷の復興ボランティアに打ち込む中で、心の傷を克服しようとする。意思が強く、行動的だが、「見かけによらず、ノミの心臓」と喩えられる繊細さも併せ持つ。
ハンサムだが船乗りゆえに女性に縁が無く、「最初から好きでないのはお互いさま」を免罪符に港の女性と一夜限りのお付き合いを繰り返す。
帰る場所を持たず、三度の食事を目当てに船に居着いていることから、『さまよえるオランダ人船長』と呼ばれる

アル・マクダエル

特殊鋼メーカー『MIG』のカリスマ経営者で、「拾いの神」の渾名を持つ。ファルコン・マイニング社に最愛の者を傷つけられた恨みもあって、アステリアの海底鉱物資源の採掘に乗り出すが、開発の過程で社会的使命に目覚め、アステリアの産業振興に尽力する。周囲には賢哲の人と仰ぎ見られ、信望も厚いが、娘にはめっぽう弱く、高価なスポーツカーやプリンセス人形を買い与える親馬鹿な一面も併せ持つ。四歳年上の姉にも頭が上がらない。本作では『運命』の象徴。タヌキに似た風貌で、陰の愛称は「タヌキの父さん」。

エリザベス・マクダエル

『リズ』の愛称をもつ、アルの一人娘。美人で聡明だが、男性経験ゼロで、自他とも認める『パパっ子』。お伽噺やTVドラマが大好きで、憧れの人は「キャプテン・ドレイク」。ドレイクを演じた俳優に似ているという理由で、ヴァルターに一目惚れし、アルの反対を押し切ってアステリアに居着く。漠然と自立に憧れていたが、ヴァルターと行動を共にし、アステリアの現実を目の当たりにするうちに政治に目覚め、海洋開発財団の理事長として積極的に発言するようになる。

グンター・フォーゲル

カールスルーエ出身の土木技師。幼少時は内気で、火山学者の父親に気兼ねする日々だったが、ネーデルラントのアフシュライトダイク(締め切り大堤防)を目にして、人間の意思の力に打たれ、治水に携わるようになる。ワーグナーの熱烈なファンでもあり、英雄ジークフリートの如く、高貴な家の娘であるアンヌ=マリーを手に入れる。息子ヴァルターの言葉の問題に心を痛め、救いを求める過程で、ニーチェの永劫回帰の思想を知り、「魂の幸福とは、人生に『よしもう一度』と言える気持ち」と説くようになる。大洪水の夜、決壊寸前の堤防を守りに戻って、命を落とす。

アンヌ=マリー・デュボワ

ネーデルラントに旅行中、グンターと恋に落ちる。実家はエクス=アン=プロヴァンスの名家で、裕福な婚約者もあったが、グンターと駆け落ちし、干拓地フェールダムの運河沿いの家で暮らすようになる。グンターの死後、ヴァルターを連れて故国フランスに戻るが、生活に困窮し、かつての婚約者と再婚する。一見可憐だが、本質は戦乙女(ワルキューレ)で、人生の困難に立ち向かう気丈な母親。聡明で、教養も深いが、男に無知で、思春期のヴァルターに対する接し方が分からず、母子関係をこじらせる。みなみのうお座にまつわる秘密の隠し財産を持つ。息子の結婚が生き甲斐。

セス・ブライト

アステリアでアル・マクダエルの片腕を務めるクールな専務。「僕は誰の味方でもない」というスタンスで、アル、ヴァルター、リズ、その他の人間関係のバッファー役となる。実は壮絶な生い立ち。

ロバート・ファーラー

ファルコン・マイニング社の社長。『ネンブロットの蛇』と恐れられた父ドミニク・ファーラーの後を継いでマイニング社のトップに立つが、女好きで、詰めの甘い性格。

フランシス・メイヤー

世界的に名の知れた天才肌の建築家。実家は大手観光グループのオーナーで、政財界に幅広い人脈を有する。才能豊かで、作品にも定評があるが、性格はイタチのように小心で、プライドも高い。干拓地の再建案について、素人のヴァルターにけなされた事を恨み、アステリアでは富裕層向けの海上都市『パラディオン』の是非をめぐって、再びヴァルターと火花を散らす。

マックス・ウィングレット

アステリア行きのコンパートメントで同室になった熟練の施工管理士。面倒見のいい親分肌で、ヴァルターのことも大らかな気持ちで見守る。現実主義で、冒険はしないタイプだが、後にリング・プロジェクトの指南役となる。ブラウンエールとコメディが大好き。

エヴァ・ウィングレット

マックスの妻で、リゾートタイプの住宅設計を得意とする建築デザイナー。人間の機微に通じた心優しい楽天家で、リズとヴァルターの恋を応援する。

お問い合わせ

本作に関するご意見やご質問はお気軽にお寄せ下さい。
匿名でも構いませんが、簡単に自己紹介を添えて下さると、分かりやすいです。
(20代OLです、東京で会社員をしています、等)

メッセージをどうぞ

この記事を書いた人

石田朋子

作家・文芸愛好家。80年代サブカルチャーの大ファン。科学番組の全盛期に子供時代を過ごした影響でSFを書いています。モットーは『Newtonから月刊ムー』まで。文芸とサイエンスを融合した新しいスタイルの作品を手掛けています。

運命はただ試すだけ

海洋SF MORGENROOD 《曙光》

上・下巻ともKindle Unlimitedにて配信中。
メンバーなら課金ゼロで読み放題です。
購入された方には読みやすいPDF版を無償で差し上げています。お気軽にチェックして下さい。